歌川芳虎 『西海蜑女水底二入テ平家ノ一族ニ見』

今回ご紹介致しますお品物は歌川芳虎『西海蜑女水底二入テ平家ノ一族ニ見』です。

こちらの作品は水中で三種の神器を探す平家の武士たちが描かれているものです。もちろん史実ではなく源平合戦の内、壇ノ浦の戦い後失意のうちに滅亡した平家の武士たちが怨霊となって現れるといった創作が江戸時代に流行し、浮世絵でも表されました。海の底なので魚や蟹といった生物も描かれています。特に蟹は関門海峡で捕れる平家蟹と思われ、芳虎のユーモアも見られる作品となっています。

こちらのお品物は芳虎の細かな技法が感じ取られる作品です。それに加え、色飛びなどの損傷も少ないためこちらの評価となりました。