石垣定哉 『カキ』

石垣定哉（いしがき さだや）は、三重県出身の昭和後期から平成にかけて活躍した洋画家です。

1947年、三重県に生まれ、愛知県立芸術大学を卒業後、1970年代からは白日会を中心に活動していきます。1980年代末から90年代前半にかけては、ニューヨークの風景を主題にした半抽象的な作品で注目を集めるようになりました。また、1986年には白日会展で内閣総理大臣賞を受賞しています。

彼の作風は、伝統的な日本画の技法を基盤にしつつ、近代的な感覚を取り入れた独自の表現を特徴としています。細部にまでこだわり、緻密な描写を行うことで、作品に深みと立体感をもたらしました。
彼の代名詞である「イシガキブルー」は、その繊細さから生み出された青のことを指します。

今作の『カキ（牡蠣）』は、彼の独特な色彩感覚と筆致が表現された作品です。全体の淡い色合いから伝わってくるように、彼の作風が一目で感じられる作品となっています。

本人の直筆サインがあること、状態の良さも考慮してこちらの評価とさせていただきました。