皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は中田一於 作 『 墨地淡青釉裏銀彩 花入』になります。
こちらは京都市山科区にお住いのお客様より出張買取のご依頼をいただき、成立となりました。ありがとうございます。
中田一於は九谷焼の作家ですが、その特徴は「釉裏銀彩」です。
この技法は、銀泊を切り貼りし焼成を行います。そしてその上から釉薬をかけて焼くことで、独特な銀の渋みを活かした幾何学的な模様を創り出しました。
銀ではなく釉裏金彩と言えば吉田美統の作品が有名ですが、中田一於はこれを変色しやすい銀で行いました。このことで中田は世に大きく認められるようになります。中田一於と言えば釉裏銀彩と言われるほどで、その評価は海外でも高く、スミソニアン研究機構のサックラー美術館では永久保存作品に釉裏銀彩壷が選ばれたほどです。
今回のお品物は中田一於の作品の中でも、色味、模様と秀一な逸品です。濃いめの墨地と、薄っすらと青みがかった銀泊のコントラストが見事です。宇宙を漂う天体の群れか、はたまた北極に浮かぶ氷塊の群れか。中田一於の持つ美を遺憾なく発揮した作品と言えるでしょう。
また、本人作を示す箱書きの書かれた共箱があり、その状態がとても良かったこともあって、上記の評価額となりました。
お客様からのお問合せを心よりお待ちしております。