皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は龍文堂 造『鉄瓶』になります。
こちらは京都市山科区にお住いのお客様よりご依頼をしていただき、成立致しましたお品物になります。
鉄瓶と聞いて南部鉄器を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
現代では南部鉄器一強といっても過言ではない鉄器製品ですが、関西には亀文堂、龍文堂、金寿堂という三つの鉄器メーカーがありました。
現在は廃業してしまいましたが、その人気は衰えることなく、日本を超え世界にファンのいるメーカーです。
そのうちの一つである龍文堂は京鉄瓶の祖とも呼ばれます。
その理由として、他に先駆けて江戸時代の末期から作り始めたことと、龍文堂2代目である四方安之助は、後に亀文堂の創始者である亀文堂正平や鋳金作家として名高い秦蔵六などを弟子として抱えたからす。
今回のお品物はそんな京鉄瓶の礎を築いた龍文堂『鉄瓶』です。
正面には「御大禮記念」の文字があり、反対側には「萬歳」とありました。御大禮とは、天皇陛下が即位することを指します。
そこから大正天皇か昭和天皇の即位の際に作られた品だということが分かります。
こちらのお品物は箱や作家の落款が無かったため、上記の評価となりました。