皆さんこんにちは、緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致します作品は、明治から昭和にかけて活躍した版画家吉田博の版画作品『瀬戸内海 倉』です。
吉田博は福岡県久留米市に生まれました。福岡県立修猷館高等学校にて図画教師として勤務していた洋画家の吉田嘉三郎に技術を認められ、吉田家の養子となった事が吉田博の画業の原点となります。1899年からは作品を披露する場を海外へと広げ、デトロイト美術館やボストン美術館にて展示会を開催し大きな反響を得ました。
もともとは洋画作品を制作していましたが、1920年に版画の制作を行っている渡辺庄三郎と出会い木版画の制作を始めました。版画を制作する中、関東大震災により作品や制作用の版木が全焼してしまいその後渡米します。その際に海外で浮世絵の粗悪品が多く出回っている事を知り、以降版画作品を多く制作するようになりました。
今回の作品は全体が茶色くヤケており、各所にシミがございます。右下には直筆でサインが書かれています。日本だけでなく海外でも需要の高い作家さんですので、上記を考慮しまして今回の評価額となっております。