皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回お客様からご依頼いただいたお品物はこちらです!
江崎一生 作『灰釉壺』でございます。
江崎一生は愛知県常滑市出身の陶芸家です。
常滑という名前は骨董界ではとても有名な名前であり、「常滑焼」は備前焼や信楽焼などと同じく中世から現代まで続く伝統的な窯元として「六古窯」の一つに数えられています。
江崎さんはその常滑焼の陶芸家です。
現代の常滑焼の印象は朱色が特徴の朱泥常滑が有名ですが、江崎さんが作る作品は古常滑という古来より制作されていた技法を現代風にアレンジした作品となります。これは、常滑焼が長い年月を経て伝統的な焼き物から日用品制作のための窯に衰退してしまったという歴史があり、それを江崎さんがかつての技法を研究し古常滑を再現し、芸術品にまで高めたためであります。古来から作り出されていた美しい常滑焼の姿を江崎さんの功績によって現代でも見ることができるようになりました。このことから、江崎さんは正式には人間国宝として認められているわけではないのですが、多くの陶芸家たちから絶大な評価を受け、「幻の人間国宝」と呼ばれております。
江崎さんの作品では茶道具として扱える茶碗などが大変人気です。素朴な色合いの茶碗は茶道の表千家では人気の道具となり、中古品の評価額でも10万円前後ほどとなっています。
今作の壺は茶碗などと比べると落ち着いた価格帯となります。壺自体が茶碗と比較すると人気や取引量が少なくなるため、現在の相場と照らし合わせ上記の評価額となりました。