皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は、水月焼の煎茶器セットです。
水月焼とは、好川恒方が1903年に松山の自宅に築窯し始めた窯作品を指します。初代となる好川恒方は、鹿野派の画家である父のもとに生まれ幼少のころから絵をたしなんで育ちました。築窯してからは動植物や山水などをモチーフとした作品を得意としました。中でもアカテガニという愛媛県では天神蟹と呼ばれるカニの作品は、まるで生きてるかのような写実性で高い評価を得ており、のちに好川恒方の代表作とまで呼ばれるようになりました。
このように自宅の庭から始まった水月焼は作品の美しさから認知度を広めていくことに成功しました。しかし1978年に好川恒方が亡くなり、妻の恒悦が継承するも2012年に恒悦が亡くなり後継者がおらず閉窯となってしまいました。
ちなみに、愛媛県では他にも天神蟹が彫られている焼物がふたつあります、ひとつは同じ愛媛県松山市にある楽山焼、もうひとつが愛媛県四国中央市にある二六焼になります。このように愛媛では立体的に彫られた天神蟹が含まれた作品が多く作られています。
しかし楽山焼きも水月焼と同じく1990年に後継者がおらず閉窯となっています。そういった背景から天神蟹の作品は希少性が高い焼物となっております。