皆様、こんにちは。緑和堂東京支店で御座います。
本日ご紹介させて頂きますお品物は、中村翠嵐 作 『偕楽園写寿の字皆具』になります。
中村翠嵐は日本の陶芸家で交趾焼作家として有名な方になります。交趾焼とは古来ベトナム交趾支那からの貿易によって日本に入ってきたとされており、その当時の日本にはなかった鮮やかな色合いを使われた焼物作品になります。
今回ご紹介する2代目中村翠嵐の手により、従来の交趾焼作品に新しい変化を加えていったことで、現代の交趾焼を作り上げられ、交趾焼は中村翠嵐のシンボルとされました。そんな歴史の古い交趾焼は専用の窯と技術を持つ窯元でないと一度見たら忘れないあの特徴的な色合いを作り上げることができないとされており、とても高く評価をされています。
今回のお品物も釉薬の発色がとても良く、波紋やデザインに対して技術力の高さが感じられる作品かと思います。古来の日本にはなかった色使いがやはり茶道具の世界でも目立つこと間違いなしな逸品になります。さらに作品の状態も良く、共箱の状態も良く保存されていたこともあり、上記の評価となります。
また今作は皆具でありましたが、茶碗や花入、香合なども製作されており、作品によって相場が変わってまいります。