皆様、こんにちは。緑和堂東京支店でございます。
本日ご紹介致しますお品物は、白井半七 作 『蓋置』でございます。
白井半七は代々襲名で受け継がれる「今戸焼」の陶芸家になります。
今戸焼とは、東京都台東区の今戸周辺で焼かれていた陶磁器です。江戸時代から明治時代にかけ、日用雑貨・茶道具・瓦に至るまでの多種の生産をされてきました。
初代白井半七は京都の土風炉師より技法を学び、1684年~88年頃土風炉や茶器などの制作をしていました。二代は初代の技法を継承し、「今戸焼」を作り上げました。
四代、五代頃では、京都の伏見人形の影響を受けた「今戸人形」の制作を多くしておりました。今戸人形は浅草寺参拝者のお土産品として人気がでて一躍有名となりました。
七代は1923年の関東大震災の被災で窯が崩壊したことをきっかけに兵庫県伊丹市に移窯をされます。代々「半七」名を襲名し、四~六代は「芦斎」、七代は「楽半」と号をしていました。その頃までは「隅田川半七」・「隅田川焼」・「今戸焼」と呼ばれました。八代の頃からは兵庫県宝塚市に移窯します。八代の特徴として乾山写しを意識した京焼の華やかな作風を取り入れます。九代も写しを得意とし、そのほかにも独自の作風の作品の制作をされていました。兵庫県三田市に移窯もされましたが、1987年に亡くなりました。
今作は九代の手掛けた作品で陶印も半七と赤い字で記されております。得意とする鮮やかな色合いの作品になるかと思います。作品の状態もよく、共箱が付属したこともあり、上記の評価となります。