こんにちは!緑和堂大阪支店です。
今回ご紹介させていただきますお品物は中村宗尹『住吉蒔絵 大棗』でございます。
中村宗尹は現在も絶賛活躍中の加賀蒔絵塗師です。父は人間国宝の川北良造。
そんな偉大な父から茶道具制作のイロハを学び、のちに豊島文洲に師事します。
宗尹の作品は黒漆にも重きを置いた蒔絵とのバランスが大変美しい作品が多いです。これからが楽しみな作家さんの一人でもあります。
今作は住吉大社をメインとした作風となり、住吉大社の象徴でもある正面に架けられた神橋、反橋が見事に蒔絵にて表現された素晴らしい作品となっております。実際に訪れた方は納得のいく勾配表現かと思われます。
また反橋の下を流れる川が棗の縦にダイナミック描かれ、天から底まで思わず目で追ってしまいます。
ちりばめられた蒔絵の奥に美しく存在する黒漆とのバランスが絶妙な逸品でした。
共箱の状態も非常に良く、棗にスレなども見当たらなかったため今回はこちらの評価となりました。
漆器類は日差しや湿気に弱いお品物ですので大切に保管されていたと見受けられます。お譲りいただきありがとうございました。