皆様、こんにちは。緑和堂東京支店でございます。
本日ご紹介するお品物は、高村光雲 作 『銀製ブロンズ像』になります。
高村光雲は江戸下谷(現・台東区)に生まれます。1863年から仏師の高村東雲の元に徒弟となり、後に東雲の姉・エツの養子となり高村姓となります。
明治維新以後は廃仏毀釈運動の影響で、仏師としての仕事がなくなり象牙彫刻が流行したことで木彫りも衰えたことで自身の生活に影響が出ました。そのような中で光雲は木彫りに専念し、積極的に西洋美術を学び、衰退しかけていた木彫りを写実主義を取り入れることで復活させ、江戸時代までの木彫り技術の伝統を近代につなげる重要な役割を果たしました。
1899年から東京美術学校に勤務し、翌年に彫刻科教授、同年10月2日に帝室技芸員に任ぜられます。光雲の弟子には、山崎朝雲、山本瑞雲、米原雲海、関根聖雲など近代日本彫刻を代表する彫刻家がおります。光雲は1934年に死去されました。
高村光雲作品のポイントとしては、素材とサイズになります。評価の高い木彫り作品で大きなサイズの場合、数十万~数百万円の評価額が付くことがあります。木彫り以外に金や銀で制作された作品も多くあるため、素材によって相場が変わります。今回のお品物は素材がブロンズであったことから上記で説明させて頂きました素材よりも評価が低くなります。しかし共箱も一緒に保管されていたこともあり、上記の評価となります。