東郷青児 『白い手袋』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回店頭にてお譲りいただきましたお品物は、東郷青児 作 油彩『白い手袋』でございます。

東郷青児は鹿児島県生まれの洋画家です。戦後、昭和の美人画家として有名になりました。彼の作品は、甘美な女性像を独自の画風によって描いているのが特徴的です。対象を大きくデフォルメし、淡い色彩と柔らかな輪郭線で描かれる女性像は、従来の美人画の常識を大きく崩すものでした。

本作『白い手袋』は、女性と背景に浮かぶ城が特徴的な作品です。これは、彼の美人画の中でも代表的な構図であり、そのコントラストの中に仄暗く艶やかなニュアンスの演出を見ることができ、独特の魅力が感じ取れます。

積年による多少のシミが見られましたが、有名作家の油彩画であり、尚且つ人気の構図の作品であったことも考慮しまして、今回はこちらの評価とさせていただきました。
緑和堂では油彩画の他、版画作品の取扱いも多くございます。有名作家の作品で手放しを検討されているお品物がございましたら、是非一度緑和堂までお問合せください。