皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
今回ご紹介する商品は、『オールドノリタケの花瓶』です。
オールドノリタケとは、ノリタケ製の陶器の中で1800年代末から第二次世界大戦までに作られたアメリカ輸出用の物を指します。輸出用に作成されていたため日本ではあまり流通しておらず、アメリカでアンティークとして人気です。オールドノリタケと呼ばれるようになったのは1990年頃で、英語では「EARLY NORITAKE」と呼ばれています。
オールドノリタケの特徴は製造時期だけでなく製法にもあります。現ノリタケは転写紙などを使用した大量生産のニーズに応えた製法ですが、オールドノリタケは手作業で描かれる美しい絵付けや精巧な細工が施されており高い芸術性を持っています。
オールドノリタケのデザインの特徴として、当時の世の中の生活様式の変化や芸術などを積極的に取り入れていることが挙げられます。そのデザインについても大まかに二つに分けられており、オールドノリタケの初期商品に見られる、多彩な絵の具と金彩で仕上げられたアールヌーボー様式。人々が楽しみや快楽、また風変わりなものを求めてパリ万博以降に世界に広がったアールデコ様式と分けられます。
どちらの商品についても手彩色に金彩が施されているなど、優美さと豪華さを兼ね備えている一級品です。
オールドノリタケの見極めについては、重さや質感や技法など見極め方法がいくつかありますが、一番わかりやすいのは商品裏面にあるバックプリントです。バックプリントは30種類あり印の形や色からも時代が分かるようになっています。さらに、作られた時代だけでなく輸出先や作られた工場や産地なども分かるようになっています。もちろんあまり流通していないバックプリントも存在しており珍しい商品は高額で取引が行われています。
今回のお品物は、オールドノリタケの1900年前半のお品物になります。様式はアールヌーボー様式になります。オールドノリタケ商品は金彩を施された商品は多くありますが、今回の商品のように赤色で目立つ商品は少なく評価が高くなります。バックプリントは珍しいものではなく1900年代の中では比較的多いバックプリントでした。大きさは比較的大きいもので同じサイズの商品が2点あることも高い評価につながりました。これらの評価を加味し評価額は上記のようになりました。