本作は、陶芸制作ユニット「スナ・フジタ」のアウトドアの情景が描かれたコップです。
スナ・フジタは京都を拠点に活動する、陶芸家 藤田匠平と山野千里による陶芸制作ユニットです。2005年より「フジタチサト」名義で活動を開始し、2014年に「スナ・フジタ」へと改名しました。
藤田匠平は京都市立芸術大学大学院 美術研究科 工芸専攻陶磁器を修了後、イギリスのエディンバラ・カレッジ・オブ・アートでガラス工芸を学びました。
山野千里も同様に京都市立芸術大学大学院 美術研究科 工芸専攻陶磁器を修了しています。
制作は分担して行われており、ろくろを用いた成形や下地の化粧塗りなどは藤田が担当し、蓋の上などの立体造形は山野が成形を行っています。絵付けは初期には山野が担当していましたが、現在は藤田も加わり二人で行っています。
描くのは「平和な世界」のみという2人の共通の理念から作られる作品は、描かれる人や動物、自然が慈しみ合い共生する温かい夢物語のような世界観が特徴的です。
本作は、水辺でアウトドアを楽しむ人々や動物の姿が表現されています。駆けまわる動物をはじめ、ロープで遊ぶ子供、テントのそばで語らう人々、杖をついて散歩する人など、それぞれが自由に過ごす様子が繊細に可愛らしく描かれています。
コップ内側の上部にはレース調の文様、内底には水玉模様の鳥が配されています。また、外底面には2本の樹木に挟まれたテントと月が描かれており、側面の賑やかな情景とは対照的な静かな雰囲気を感じます。
本作は、保存状態が良好であること、サインが確認できることを踏まえて、こちらの評価となりました。