皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致しますお品物はこちらです!
松井康成 作『練上壺 嘯裂文』でございます。
松井康成さんは日本の陶芸家であり、「練上手(ねりあげで)」という手法で国の重要無形文化財保持者、つまり人間国宝に選ばれた方です。
練上手とは、異なる色の粘土を練り合わせ、その伸び縮みで模様をあらわす技法のことを言います。
陶磁器作品の模様は通常、筆で描かれておりますが、松井康成さんの作品はこの練上の技法によって筆ではなく一つ一つの粘土板の組み合わせにより模様が作り出されるというところが特徴になります。
松井康成の作品では、練上で作られた大きな壺が人気を博しております。個展出展作品や晩年の作品ですと相場も高くなり、練上の大きな壺で相場価格が100万円を超えるものもございます。
今作は嘯裂文(しょうれつもん)という模様の作品になります。
「嘯裂」とは、器の表面を刷毛や櫛などで荒らし、傷を入れることによって生じるひび割れを模様に見立てたものになります。その為、独特な風合いの作品に仕上がっているのがわかります。
嘯裂文は、松井康成さんの作品の中ではそこまで価格が上がる作品ではありません。
晩年の嘯裂文作品であっても、最高額が10万円ほどの相場価格になっております。
また、無名作家の場合、同じ練上と嘯裂文であったとしても1万円ほどの相場価格になるのが相場でございます。
しかし松井康成さんは人間国宝の方であり、練上の文化的価値が今作からも伝わる為、上記の価格を付けさせていただきました。