皆様こんにちは、緑和堂京都本店です。
本日ご紹介する作品は、片岡球子 『富士に献花 赤富士』です。
片岡球子は戦後日本を代表する女性日本画家です。
1976年の勲三等瑞宝章を始まりに、日本芸術院会員に選出、文化功労者顕彰と続き、1989年には女性画家で三人目となる文化勲章を受章するなど多くの功績を残しています。
従来の日本画とは一線を画す鮮烈な色彩は球子作品の大きな特徴となっていますが、初期の頃はその異色さからなかなか評価されず、両親からも画家を志す事を反対されていたそうです。しかし、時代の流れとともにその独創的な作品は注目されるようになり、代表作である「富士山」シリーズは現在でも直筆日本画・リトグラフ共に人気が高まっています。
ジャンルとして日本画とは思えない原色を駆使したダイナミックな色使いですが、決して威圧感のようなものは与える事なく不思議とまとまりを感じるのは球子ならではのバランス感覚がなせる業なのだと思います。
美しく描く事よりも、周りの意見よりも、自分の思うように力強く表現する事を貫いたパワフルな作品の数々。今回の作品のように裾野に花や木々が描かれているものはシンプルな作品よりも評価が高くなる傾向があります。