こんにちは、緑和堂京都営業所です。今回ご紹介させていただきますお品物は葉山有樹 作『金彩緑鳳凰唐草文』です。
始めに作家の紹介と理念の紹介となります。
葉山有樹は独自の技法が高い評価を得ている現代の陶芸家の一人です。
1961年に同じく焼物で生計を立てていた両親のもとに生まれた葉山有樹は当初は焼物に興味がありませんでしたが働き口がなかった為、地元の焼物製造会社である伊万里焼窯元に入社し、当時は有田工業高校デザイン科で夜間に勉強をしながら10年間の間、多くの職人に囲まれながら毎日焼物の修行に励みました。
独立後は古代の人々の願いや祈りの原点を見つめその作品の中に物語が感じられるものを創造することを目標に世界4大文明の文様や歴史、デザインを勉強し、独自の作風を築き他の陶芸作家との差別化に成功します。また普通の絵師では考えられない細密な絵付けである「細密画」と呼ばれる技法を使った作品は青海波・亀甲文・七宝文・卍文・動物文・植物文などの幾何学文様を抽象化することで文様として完成し、オリエント文明を感じられそうな作風に仕上がります。
葉山有樹は、400年ある有田焼の伝統も受け継ぎながら独自の感性も加えられていることで魅力的な作品を数多く生み出しております。
作品の特徴としては、細密画にあります。陶器に余すことなく絵を書きそしてその絵には歴史に由来した物語をテーマにしておりそれは古代メソポタミア、エジプト、ギリシア、インド、中国、日本と様々な土地、歴史を舞台としたものです。
その絵には歴史を次世代に残したいというメッセージ込められているそうです。
金彩緑鳳凰唐草文はストーリー性の強い作品ではありませんが、繊細に作りこまれており特に金彩の細かさ凄まじく金彩のみ目で追えば見ているこちらが目を回しそうな程です。しかし全体で見れば鳳凰と唐草文が調和されており、落ち着いた絵である印象を受けるお品物になっています。
今回のお品物は保存状態が良かったため下記の結果となりました。また状態によっては評価額が変動致しますのでご了承下さいませ。