皆様、こんにちは。緑和堂京都本店です。
本日ご紹介させて頂くお品物は象牙で製作された観音像です。
象牙は世界中で古くから芸術作品等で用いられることが多くありました。それには、製造において加工が簡単にできることに加えて、美しさや、手に取った時の手触りの良さなど、多くの理由があります。象牙を用いられていたものとして代表的なものではピアノの白鍵が挙げられます。他にも肌触りの良いことから古くから様々な楽器部品や、刃装具の一部で象牙が用いられていました。また、古くには象牙を粉末状に加工し漢方薬としても使用されていたそうです。
このように多様なものに用いられてきた象牙ですが、象牙を持つアフリカゾウが絶滅危惧種とされ、1989年のワシントン条約によって象牙の国際取引が原則厳禁となりました。しかし、現在でも象牙を用いた作品は世界中のいたるところに存在しており、国際取引が原則厳禁になった今でも多くの人を魅了し続けています。
今回のお品物は、比較的小さいサイズのお品物であったことと、状態も経年劣化による汚れと変色が目立ちました。有名作家さんの彫られた作品などであればプラスで評価できた可能性もございますので、査定の際は参考にしていただければ幸いです。