皆様、こんにちは緑和堂京都営業所です。
今回ご紹介するのは高野三三男 作『泰山木』です。まず初めに作者の高野三三男についてご紹介をさせていただきます。
高野三三男は1900年代の日本とフランスで活躍した画家です。1922年に東京美術学校(現・東京藝術大学)洋画科に入学するも、1924年の関東大震災で被災します。
その後の復興の中で落ち着いて絵画の制作が出来ないことからフランスに渡ると、個展の開催、展覧会への出品と精力的に活動し、フランス画壇に認められていきます。女性の寝室やイタリア喜劇をモチーフとした絵画を得意とし1930年にフランス政府に買い取られた『仮面舞踏会の夜』もイタリア喜劇のコロンビーヌやアルルカンがモチーフだとされています。1940年に藤田嗣治とともに帰国し、帰国後は一水会の会員として毎年作品を出品して中心的存在になり、文展、日展等の審査員を歴任しました。1954年には現代日本美術展で大衆賞を受賞するなど、日本とフランスで活躍し両方で高い評価を受けた作家です。
今回の作品のような花の静物の絵も高く評価されています。特に泰山木は得意のモチーフであり、いくつもの泰山木を手掛けています。
花の質感が非常にリアルに描かれており実際に花びらを使ったのではないかと疑う程に、花びらの表面の繊維質、生物的な質感が再現されています。
こちらの作品は、キズや傷みが無く額装にも傷が少なかった為この評価となりました。緑和堂では絵画以外の古美術品もお取り扱いさせていただいております。お手放しの際はお気軽にお問合せ下さい。