皆様、こんにちは!緑和堂東京支店です。
今回お客様からお譲りいただきましたお品物はこちらです!
亀文堂 銀瓶でございます。
亀文堂(きぶんどう)とは滋賀県の湖東で主に鉄瓶を製造していた鉄瓶屋です。波多野正平によって1813年に創業されました。
正平は、同じく鉄瓶で有名であり名門の龍文堂、二代安平に師事しました。正平の実弟の秦蔵六も同時に弟子入りし、蝋型鋳造(ろうがたちゅうぞう)の技術を学び、後に近江(滋賀県)の能登川(現 東近江市)に移り住んで亀文堂の工房を設けました。
当初は文人好みの文房具などを手掛けていましたが、鉄瓶が幕末から次第に庶民へと行き渡ると、自然や山水をモチーフとした浮彫り模様の鉄瓶が人気を博し、亀文堂の認知は大きく広がりました。
波多野正平亡き後、亀文堂は昭和20年代まで4代に亘って引き継がれていましたが、戦争という世界情勢の悪化や高級な鉄瓶自体の需要がなくなってきたことにより終わりを告げることとなりました。
今作は亀文堂の銘がある銀瓶です。貴金属の刻印はありませんでしたが、色つや重さから銀で出来ていることは間違いありません。銀瓶の場合は銀の重さに対する相場ではなく、製作者や品物の種類によって大きく金額が変わります。今作は亀文堂の為、銀相場より大きな評価が加わる事となります。ただし、箱書きに「正平造」という文字がありますが、初代波多野正平は瓶に横書きで「亀文堂造」と彫る特徴があります。しかし今作はその横書きの文字はなく、初代波多野正平と思われる銘や作りなどがないことから後世の作品であると考えられます。
以上のことなどを踏まえ評価額は上記となりました。
緑和堂では亀文堂をはじめ龍文堂、金寿堂など鉄瓶や文房具を多く取り扱っております。気になるお品物がございましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。