西岡 小十 作『唐津 皮鯨茶碗 』

皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は西岡 小十 作『唐津 皮鯨茶碗 』になります。

こちらは名古屋市にお住いのお客様より出張買取のご依頼をしていただいたお品物になります。

西岡 小十は「古唐津の神様」と謳われた人物です。

1917年、佐賀県に生まれ、1950年頃から約20年間にわたり唐津古窯跡の発掘に師事し、古窯跡の陶片に心奪われ、いつしか、発掘した陶片のような唐津を再現したいと思うようになります。1960年、当時、文化財調査官であった小山 冨士夫との出会いをきっかけに、1969年、52歳で作陶を始めます。公募展には一切出品せず、個展のみで作品を発表し続け、古典技法である絵斑唐津（えまだらからつ）・梅華皮(かいらぎ)の復元に成功し、古唐津を現代によみがえらせた唐津焼の名手といえる陶芸家です。
人間国宝である荒川豊藏や同じく人間国宝の藤原啓とも親交が深い事でも有名です。

お品物の箱書きにもあります皮鯨（かわくじら）とは唐津の茶碗やぐい呑み等に見られる装飾のひとつで、口縁部に黒い縁取りをあしらったものです。名称の由来は口縁部の黒を鯨の皮（背中側）、うつわ本体の白～灰色を鯨の身（腹側）になぞらえています。
この黒色の部分は鉄絵具によるもので、線の太さが違うため、見る角度によってさまざまな表情を感じられるお品物となっております。

今回のお品物は西岡 小十の代表的な唐津の茶碗であり、鉄絵具を使用し口縁部に西岡小十が絵付けを施した皮鯨茶碗という事、作品自体の出来が良く、専用の木箱もありましたので、今回の評価額となりました。
共箱がない場合や状態によっては評価額が変動致しますのでご了承下さいませ。

現在、緑和堂では、西岡 小十の作品を集めております。
ご自身のコレクション整理やお片付けで出てきたお品物等ございましたら、是非ともお気軽にご相談下さいませ。
お客様からのお問合せをスタッフ一同、心よりお待ちしております。